「金が金を生む社会は格差を広げるばかり」という考えの中で参考にしたのが、イスラム金融です。イスラム教では労働もせず金銭を貸すだけで対価(利子)を得ることを禁止されています。そのため、イスラム金融は無利子金融となっています。イスラム金融取引の7割を占める「ムラバハ(商品売買契約)」は、単に銀行というのは金を潤沢に集めて貸し出すというスキームではなく、金融機関そのものが仲買人のような役割りを果たします。
@商品の買い手と売り手(銀行の顧客)との間に購買契約を結びます。そのときに銀行も介在して、銀行=買い手間、銀行=売り手間の価格を設定します。
A買い手の代わりに銀行が商品代金を支払います。
B商品を買い手に届けます。
C商品の買い手から代金を回収します。
結果、前払いになるので買い手は安心して事業を進められます。フェアトレードが途上国の生産者に前払いすることで原材料の用意を容易にすることと同じ思想で、持つ者が進んでシェアする仕組みです。また、銀行は仲介に入ることでアレンジなどに汗を流した手数料ということで銀行の収入になります。
市民バンクでは、このイスラム金融の「ムラバハ」をヒントに、より起業家が使いやすく、そして、起業家を応援する人たちの想いが伝わる新たな仕組みとして「トラスト」を考えました。
「トラスト」とは、応援する側と応援される側が直接繋がり、その名の通り「信頼」で成り立っています。仕組みは簡単で、事業に共感した応援者たちが事前に商品やサービスの代金を支払い(購入予約)、起業家はその資金を元手に事業を進めて商品やサービスなどを開発します。資金を出した応援者は開発された商品やサービスを受け取ります。金利もなく、元本の返済もありませんので、起業家の金銭面での負担は少なくなりますし、応援者=お客様になりますので、商品ができたけれども販路がない、ということにはなりません。
この「トラスト」を起業支援の新たなモデルとして、市民バンクは活動をしていきます。
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