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 トレード−寄付(育成資金)文化と協働

 トラストの他にも、市民バンクでは寄付(育成資金)文化を広げたいと考えています。特に日本のNPO法人など公益を目的とした非営利団体は、その活動資金を調達することが難しく、良い事業をしようと思っても、資金不足で活動を断念しなくてはならない事態に陥ることがあります。活動資金を得るために行政の補助金を得たりする場合もありますが、制約が多くて自分たちがしたいように使えないこともあります。そこで、事業の趣旨に賛同して、使途に細かい制約がない寄付(育成資金)が大きな役割りを果たします。
 また、起業家が必要とするのは資金だけではありません。事業を進めるための“知恵”や“技術”を必要としている場合もあります。地域にある問題を見つけて、それを解決するためのビジネスを考えても、実現させるためのノウハウが不足していたら事業化できません。そのため、問題解決のために一緒に汗を流し考えてくれる人は貴重な存在です。
 例えば、WWB/ジャパンには、事業をスタートさせたばかりの女性起業家の不安や悩みを、先輩女性起業家にメンター(先輩助言者)になってもらいながら乗り越えていくための「女性起業家向けメンター紹介サービス制度」があります。集客の問題や組織作り、今後の事業展開の迷いから、女性同士だから分かり合える育児と事業の両立の問題など様々な相談が寄せられています。さらに、療育学校の経営者(静岡県)から「発達障がいを持つ子供たちが遊べる専用の療育おもちゃは高価なので自分たちで作りたいけれど、どうしたらよいか分からない」、という相談が寄せられ、布おもちゃの作り方を教えている起業家(京都府)がメンターとなり相談者の療育学校まで何度も通い、課題を克服しながら療育おもちゃを作りました。
 このように協働は単なる「助言」ではなく、お互いの専門性を持ち寄り、共に何かを成し遂げる関係性へと発展させることも出来ます。
 寄付(育成資金)や協働をして返ってくるのは事業から生まれた結果だけです。お金や知恵、技術を出す人が優位に立つのではなく、『成長の楽しみ』という夢を一緒に育てることが出来ます。

◆現地に行って応援しようツアー

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