カンボジアチームの取り組み〜カンボジア・コンポントム州〜
NPO法人学生耕作隊インターン卒業生による
カシューナッツプロジェクト
アジアの研修所プロジェクト
【カシューナッツプロジェクト】
オクルカエ村の主産業は農業で6月から10月までの雨季にはお米を、11月から5月までの乾季には南国の果物やカシューナッツ栽培をしていますが、カシューナッツ栽培には問題がありました。農家の役割はただ生産するだけ。乾季になるとお隣の国ベトナムからのバイヤーが村をうろうろし、殻付きのまま安価で買い取っていくのです。
この問題を解決するため、村単位でカシューナッツの六次産業化(生産だけでなく加工し、販売まで行うこと)に取り組み、地元に雇用を生み、村人の働き口を生み出せないか?と考えました。村長はこの新たな挑戦に賛同してくれ、村からも協働プロジェクトに参加する若者、カシューナッツ生産者が選出され、2012年カシューナッツプロジェクトが始まりました。
まず直面した問題は、カシューナッツの殻むきです。カシューナッツはハンマーで叩いても割れないくらいの硬い殻に覆われていて、大まかな工程は蒸す、殻を割る、乾燥させる、薄皮を剥くというものです。
そのため、大規模な加工場がないと殻むき等の加工が出来ないと思われていました。村人たちが継続してできる範囲で加工をしようとすれば、自分たちで殻などをむくための設備を作らないといけません。そこで、乾燥に必要なオーブンは、学生耕作隊のスタッフを日本から呼び寄せ、プロジェクトに参加する若者と一緒に作り上げました。オーブンの本体や電動工具、ボルトまで現地で調達したので、修理が必要になっても村人たちの手で直せます。オーブンを動かすための電気を発電するためのソーラーパネルも設置し、カシューナッツを加工するための設備が整いました。幾度もの加工・試作などを経てようやく商品化にまでたどりつきました。
このプロジェクトを支えたものの一つがトラスト(購入予約)です。プロジェクトに賛同してくれた人たちが前払いしてくれた商品代金を、プロジェクトに必要な費用に充てることが出来ました。さらに、届いた商品についてもたくさんのアドバイスをいただき、2013年には日本でお歳暮向けの商品を販売し、完売することが出来ました。また、日本で栽培している緑茶と組合わせた「カシューナッツグリーンティー味」は日本のフェアトレード店第3世界ショップで継続して取り扱ってもらえるまでになりました。
【アジアの研修所プロジェクト】
カンボジアで新たに始めたのが、カシューナッツプロジェクトのオクルカエ村からバイクで10分ほどの場所にあるサンボー村の42ヘクタールの森を、アジアのコミュニティービジネスの先進地にするプロジェクトです。
カンボジアの現状は今、残念ながらASEAN地域内で安い労働力を供給する国として期待され、多くの若者、特に地方の若者が、ただ労働をするだけのために国外に出て行ってしまいます。国内でも諸外国が建設した機械工場や繊維産業が立ち並び、若者が働きながら能力や技術スキルを高め、知恵を生み出し、リーダーシップを育む場所やチャンスがほとんどありません。地域を担うはずの若者たちがどんどん流出してしまっています。そこで、この42ヘクタールの森を創造性あふれる教育と仕事作りの場にしようと、カンボジアと日本の若者が中心となって取り組んでいます。
まず始めに井戸や住居、農地などの基本となるインフラを整備します。次に、マンゴーやパイナップルなど収穫した農産物の加工場も作ります。3年目には若者のための教育センターを作ることを計画しています。4年目にはコミュニティーレストランを、5年目には観光拠点にできればと思います。この森を農産物などの生産・加工・販売の拠点、さらには教育・観光の場にすることが目標です。
このプロジェクトを成功させるためには多くの方の協力が必要ですが、まだスタートし始めたばかりで、カシューナッツのように購入予約を呼びかけられる商品もありません。森の一部を畑に手入れしていますが、まだまだ地域の市場で販売できるまでにはなっていません。そこで、トレード(育成資金)や協働で協力してくださる方を募集しています。
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