エスター・ピーターソン女史
月刊PressAlternative1997年11月号
スタッフ物語より抜粋
■心強き理解者
第3世界ショップの設立に向けて準備を進める中、海外のお客様を迎えることが多かった。その中でも、とても記憶に残る一人の女性がいる。当時、私たちが出していたJapan Citizen Now*という英字紙をボロボロになるほど読んで下さっていた、エスター・ピーターソン女史。
彼女は、ケネディ、ジョンソン、カーターと、3代大統領に渡って、消費者問題担当大統領補佐官を勤めた人だ。私たちは突然の彼女の来訪を手作り料理でもてなし、とても楽しい時間を過ごした。
肩書きに似合わぬとても愛らしい陽気なおばあちゃんは、私たちの活動の理解者だった。
PAが、消費者運動から食べられる運動を目指した時、国内の消費者団体からだけでなく、海外の消費者団体からも、お金を稼ぐとんでもない団体と批判された。
そんな時期、ヨーロッパで開かれた国際会議に参加した私たちを冷たい目で見る人が多い中、大きく手を広げ「良く来たわね」と満面の笑みを浮かべて迎えてくれる理解者が彼女であった。 エスター・ピーターソン女史が10年前の来訪のとき、私たちに残してくれたメッセージは、今読み返してみても暖かさと鋭さを感じさせるとても嬉しいメッセージである。過去にもご紹介しているが、再度ご紹介したい。
「今晩、あなたたちと共に過ごしたことは、消費者運動の未来に新たな信念を私に植え付けさせました。私はここで、全ての人類の幸福のために、また全ての人類が豊かな人生を送れるような社会を作るために働きたい、と言う純粋な気持ちを心から感じました。人間は皆、愛と尊敬を持って公正に扱われなければなりません。今日から私は、未来に望みを託しているあなたたちと行動を共にします。ここで私は、世の中を切り開いていく新たなリーダーシップが育ちつつあるのを感じたのです」
久しくお目にかからないが、今もお元気でおられるのだろうか?
*Japan Citizen Now…日本の市民の問題解決事例を世界に発信しようと作っていた英字紙