SDGsとは持続可能な開発目標「Sustainable Development Goals」の略称で、2015年9月の国連サミットで採択された、2030年までに持続可能でよりよい世界を目指す国際社会共通の目標です。17のゴール(目標)と169のターゲット(目標ごとの解決課題)から構成され、地球上の「誰一人取り残さない(leave no one behind)」ことを誓っています。
第3世界ショップは、生産者パートナーと共に、SDGsの17のゴールすべてに対応しています。職場でも、女性も男性も重責を担うなど、性別に関わらず機会均等・ジェンダー平等です。育児休業からの復職者も多く、若い世代からキャリア世代まで、ライフステージにあわせて、仕事と家庭が両立しやすい環境づくりをしています。
フェアトレードとは一般的に、「途上国で作られた作物や製品を適正な価格で継続的に輸入・販売することで、生産者の生活向上を支援し、貧困問題の解決を目指す貿易の仕組み」と言われています。第3世界ショップでは、貧困とそれによってもたらされる世界の諸問題を仕事創りで解決しようと、1986年に日本で初めてフェアトレードを事業として始めました。環境に配慮した商品の開発や、生産物の品質・技術向上に、世界各地の生産者と協働して取り組んでいます。継続的に購入することで生産者の暮らしが安定し、共に未来を設計していくことができます。それがよりよいモノづくりにつながり、地域に誇りが生まれます。
第3世界ショップは、生産者との「顔の見える関係」を大切に、自然の力を重視した原材料・製法にこだわった、フェアトレードやオーガニックの食品をお届けしています。持続可能な農業を続ける生産者を応援し、作り手の誇り・情熱を食べる人に伝え、作る過程に想いを馳せることができるような流通創りにも取り組んでいます。世界中の風土に根ざした食文化を紹介し、豊かな生活を創るとともに、国内産ではまかないきれない農産物だけを輸入しています。第3世界ショップの食品は、素材本来の力を活かすため、できる限りシンプルな原材料で生産しています。
第3世界ショップは、生産者とは対等なパートナーとして知恵を出し合いながら、貧困だけではない地域の問題解決に取り組んでいます。
チョコレートの原材料であるカカオをはじめ、コーヒーや紅茶、スパイスなどは、多様な生態系を守る自然の森のような環境で栽培されています。「カレーの壺シリーズ」の生産者は、性別や障がいの有無に関わらず、同一労働同一賃金を達成し、レーズンや干しいちじくの生産者は、太陽光パネルを使い、加工工場の電力の一部を賄っています。サンタ・フェリサ農園では、保育園を運営し、定期的に子供たちの健康診断、母親学級を行っています。
台湾烏龍茶の生産者林農園では、重労働による烏龍茶産業の人手不足・継承者難問題を解決するため、有機栽培や手作業による高品質なお茶づくりと、機械化による負担の軽減を両立し、持続可能な産業の発展を目指しています。紅茶の生産者シンガンパティ農園では、奨学金制度を実施し、地域の子供たちの教育に力を入れ、ポルトガルワインの生産者メシアス社では、地元に劇場などを設立し利益をコミュニティに還元することで、地域の発展に尽くしています。この他にも、様々なSDGsの目標に取り組んでいます。
地域の過疎化・高齢化、後継者難、伝統的な文化や技術喪失といった、国内外で共通の解決すべき課題は他にもあります。第3世界ショップでは、「地域の困った!の声を、地域の人たちと一緒に事業化することで問題を解決する」活動を「コミュニティトレード」として推進し、国境を越えて共に学び高め合いながら解決を目指すネットワーク、CWB(Community network Without Border)をアジア9カ国に広げています。
カンボジアでは若者の教育や文化の保全、地域での仕事作りを使命として、「学校」と「農場」という2つの拠点を運営しています。カシューナッツなど地元の材を活用して働きながら学ぶことで、地域コミュニティを活かし、地域に根差したビジネスで生計を立て、その地域での暮らしを愛せるような生き方を目指しています。