フェアトレード紅茶 農園訪問記
こんにちは。スタッフの山崎です。
2024年の秋に、フェアトレード紅茶の生産者パラライ農園を訪問してきたときのお話です。
パラライ農園は南インドの最南端タミル・ナードゥ州にあり、「パラライ」とは岩の上という意味。
その名のように、農園は山の上にあります。
農園がある山脈はユネスコの世界遺産に登録されており、広大で美しい森の中には、世界的に絶滅が危惧される動植物が少なくとも325種も生息していると言われています。
そんな大自然に囲まれたパラライ農園では、“人間は動物たちが住んでいる森の一部”という意識を持ち、動植物との共生を重んじ、自然環境を大事にしながら有機栽培の紅茶作りに取り組んでいます。
共生の取り組みの1つとして、サル、クジャク、イノシシ、シカ、ウシ、ゾウ、ヒョウ、熊など、農園内に生息する様々な野生動物に対し、人が暮らすエリアに接近するとアラームが鳴る仕組みを設け、アラームが鳴ったらクラッカーや火などで動物たちを驚かし遠ざけて、危害を加えたり・加えられたりせずに、お互いの安全を守る配慮がされています。
また、農園周辺の森に落ちている在来種の種を拾って育て森に植えなおすことで、森の植生を健全に豊かに保つなど、動物だけでなく植物に対しても共生する工夫がされています。
動植物と共生するパラライ農園では、300世帯以上(2024年時点)の人たちが働いており、広い敷地内には、茶畑のほかに、お茶の工場、エコフレンドリーな栽培を研究する施設、働く人たちが住む家、子どもたちが通う託児所や病院など、様々な施設があります。
農園で働くワーカーへの福利厚生も手厚く、住居・病院・託児所・集会所などが無償で提供されています。
スタッフが農園を訪問した際、茶畑のほか、居住区内にある家や託児所など、ワーカーたちの生活の場も見せてもらいました。
その行く先々ではどこも、わたしたちを温かく歓迎してくれました!
例えば、ワーカーの住む居住区を訪れたときのこと。
まずは、カラフルなお花のような模様と「WELCOME」の文字で、お家の前の地面をかわいくデコレーションしてくれて、熱例歓迎!
続いて、インドの伝統衣装サリーを着たお姉さまが、スパイス入りの色水の入ったお皿をゲストの頭の上にかかげてぐるぐるまわし、額に色水をちょんとつけます。
これはインド式の清めの儀式でもあるようです。最後にお花が手渡されます。
この儀式はゲスト全員参加が必須だったようで、1人のスタッフが儀式を受ける様子を見て、「Welcomeセレモニーを撮影するぞ!」とカメラを構えた別のスタッフに、「そんなこといいから早く儀式をうけて!」と、熱烈に迫ってきます。笑
また、ゲストへの食事にも、歓迎とおもてなしの気持ちがあふれています。
今回の訪問では、とにかく食事が盛りだくさんでした。
農園が経営するゲストハウスには専任コックがいて、3食の食事、軽食、食前食後のフルーツやデザート、スナックなども作ってくれます。
この「軽食」、ボリュームと回数がすごいんです。
例えばある日の午後。
クッキーでティータイム(軽食その1)があって、その後、視察先に移動して、インドの代表的なスナックの甘くないドーナツ「ワダ」食べて(軽食その2)、戻ってきてミーティングを開くと、会議のお供にはマリネサラダやポテトチップスがスタンバイ。(軽食その3)
ランチ以外で、午後の軽食が3回もある!
この時点ですでにおなかいっぱいですが、この後に控えたディナーが、またすごいんです。
インドでは、ゲストをディナーでおもてなしする際、「ドリンクの会」+「ディナー」という二部構成の社交ディナーが一般的で、パラライ農園でも毎晩社交ディナーでおもてなしをしてくれました。
まずは、ディナー前の「ドリンクの会」。
応接間のような部屋でゆったり座り、お酒を飲んで、コロッケやチーズフライなど次々出されるいろんなおつまみも食べ、参加者とおしゃべりをする時間を楽しみます。
ドリンクの会だけど、飲むだけでなく、いろいろ食べます。
お酒も入って、話も盛り上がり、すっかり打ち解けて、気が付けば3時間ほど経過。
話のネタも出尽くして、おなかもいっぱい、そろそろお開きかしら?と思うけれど、これはあくまでディナー前の「ドリンクの会」。
まだディナーは始まってもいません。
ダイニングに場所を移したら、いよいよ本番。ビュッフェスタイルの「ディナー」が始まります。
カレーを中心とした豪華ディナーに、デザートには巨大プリン!
ランチのデザートのプリンがおいしいと褒めたら、食べ放題スタイルにパワーアップして再登場しました。
好きなものをたくさん食べてもらいたいという、おもてなしの心かなと思うと、うれしいですね。
ドリンクの会で話のネタも出尽くし方かと思いましたが、社交ディナーはさらに盛りがりをみせ、女性陣はインドの美容院の話やペットの話など話題は尽きず1時間半くらい続き、宴が終わったのは24時過ぎでした。
この社交ディナーを日本の感覚で考えると、1次会から3次会くらいまでずっと食べて・飲み続けて・話し続ける感じでしょうか。
ふさわしい体力と、鉄の胃袋が必要そうですね。
アラフォーの女性スタッフ2人。体力も、胃袋も、そこまで自信はないけれど、パラライ農園のみなさんのおもてなしの心と、温かさを感じながら、すごく楽しくて・おいしくて・うれしい、けど苦しい、けどおいしいし、ありがたい!
気持ちもお腹も大忙し&いっぱいな、大満腹の訪問でした。
人にはもちろん、動物や植物など自然に対しても、温かくやさしい心をもって関わりあう、パラライ農園のみなさんが作るオーガニックの紅茶を、みなさんぜひお試しください。
第3世界ショップのフェアトレード紅茶は、本場インドの指定農園で有機栽培された茶葉のみを使用した、オーガニックの紅茶です。ブラックティー、アールグレイティー、ダージリンティーの3種類。
茶葉は現地の有機認証を取得し、農薬や化学肥料に依存せず、自然の力を最大限に引き出しながら、環境や生態系にも配慮した方法で茶木を育てています。
生産者は、インド南部のタミル・ナードゥ州にあるパラライ農園と、インド北部のダージリンにあるシンゲル農園。どちらの農園も、フェアトレードプログラムと呼ばれる制度を導入し、販売で得たプラスαの収益で、ワーカーとその家族の教育や福利厚生等の充実を図っています。
福祉施設/アトリエ 嬉々!! CREATIVEの個性的なアーティストたちが手がける、ポップでキュートな限定アートパッケージ『Artisanシリーズ』の紅茶も!