~カレーの壺シリーズ スリランカ訪問記~
こんにちは。スタッフの山崎です。
第3世界ショップの人気商品、「カレーの壺シリーズ」の生産者マリオさんたちが暮らすスリランカは、ちょうど1年ほど前、2022年9月のコラムでお伝えしたように、深刻な経済危機や、エネルギー不足による停電、物価の高騰など、スリランカの国内情勢は大混乱していました。
そんな中でもマリオさんたちは、「いまできること」をと、停電でも工場の機械を動かせるよう自家発電システムの導入を進めたり、食料不足に立ち向かうため、スタッフたちが自主的に工場内で畑を作るプロジェクト「Garden to table」を始めたりと、困難な状況にみなで立ち向かってきました。
カレーの壺シリーズのファンのみなさまからも、心配する声をたくさんいただきました。
あれから1年ほどたち、マリオさんたちの生活やプロジェクトはどうなっているのか。
今年の夏、2023年8月にスタッフが訪問してきたので、その時に聞いた近況をお伝えします!
まずは、燃料不足により頻発していた計画停電。
これはだいぶ減り、いまでもたまに停電することもあるけど、家庭用のガスも問題なく供給されるようになり、日常を取り戻しつつあるようです。よかった!
そして、マリオさんたちが進めていたプロジェクトの1つ、停電でも工場の機械を動かすための自家発電システムの導入は、本格稼働までにはまだ時間がかかりそうですが、少しずつ進んでいます。
バイオマス発電用(※1)の機械は無事に手に入れ、バイオマス燃料を燃焼させるためのボイラー周りの建屋の建設など、周辺整備に時間がかかっているようです。
まずは小型ボイラーの設備を整備し、スパイスの乾燥などから実験スタートをしたいと計画中です!
将来的にはソーラー電力で賄えたらという目標もあるそうで、より一層環境に配慮したものづくりも目指しています。
食料不足の問題も解消傾向にあるようです。よかった!
街のお店で販売されている商品は、原材料を海外産から国産に切り替えたりして、食料不足の問題解決に取り組んでいるようです。
たとえばポテトチップス。海外産のジャガイモじゃなく、スリランカ産のタピオカ芋のチップスが沢山売られていました。
タピオカ芋チップスは、ポテチよりも固めのパリパリチップスで、とってもおいしいんですよ!
このように、物不足は解消傾向ではありますが、物価、ガス、電気の値上がりは大変なことになっているそうで、税金なども上がり値上げはまだ日々続いているそうです。
ご家庭では、ごはん作りにココナッツの殻や木などを使うコンロも併用したりして、電気やガスの使用量を減らせるよう工夫しながら生活しています。
工場のスタッフ発案で昨年から始まった、工場の空地で野菜を栽培する「Garden to table」プロジェクトでは、ナスなどの野菜、コリアンダーリーフなどのハーブなどが収穫できて、工場の食堂でお昼ご飯に使ったりと重宝しているそうです。
コリアンダーリーフは、工場で使う原料としても役立っているとか。
訪問したときには、ナス、レモングラス、カレーリーフ、モリンガの実が育っていました。
プロジェクト開始時は、工場が停電で動かない時間も多く、手が空いた人など大勢で空き地(というかほぼ森)を開墾するなどの作業していたのですが、畑もすっかり広々出来上がり、最近は停電もなくなり仕事も忙しいおかげで、畑担当の数名が日常のメンテナンスを担っているそう。訪問時は担当のおじさまが若い木にたっぷりと水をあげているところでした。今でも収穫など人手が必要な時はみなさん集まってくるそうです。
最近では、工場の敷地内でフライデーマーケットを開催しているそうです。
マーケットでは、プロジェクトで収穫した野菜や、近隣の野菜市場で卸値で買ってきた野菜をスタッフ向けに安く販売しています。
さらに新しく、妊婦さんや乳幼児向けの栄養問題解決プロジェクトも始めました!
妊娠6か月~生後3か月になるまで、お母さんに卵・レンズ豆・ヨーグルトなど栄養たっぷりの食品を渡します。
その後はこどもが5歳になってデイケアに行くまでは、子どもの分も同じものを提供します。
どんな状況でもスタッフを大切に考えるマリオさんたちの取り組みは、ほんとにすばらしいですね。
5年ぶりに訪問したスリランカは、美しい自然やその恩恵、人の温かさはそのままに、どんな時でも前向きな、みなさんのエネルギーはますます輝かしいほどでした。
まさに「光り輝く島」、ですかね。(スリランカは、シンハラ語で“光り輝く島”という意味)
まだすべての日常を取り戻したわけではありませんが、これからも、マリオさんたちが届けてくれる製品をおいしく食べ続けることで、マリオさんたちやスリランカという国に想いを馳せ、応援していきたいと思います!
※1 バイオマス発電とは、木材や植物残さ等のバイオマス(再生可能な生物資源)を原料として発電を行う技術のこと。
第3世界ショップの人気商品「カレーの壺シリーズ」は、スパイスの香り立つ本格スリランカカレーが“あっという間”に作れるカレーペーストをはじめ、手軽に本格スリランカカレーが楽しめるレトルトカレー、ココナッツミルクやチャツネやなどスリランカの食卓に欠かせないスパイス・調味料など、ご家庭で簡単に本場スリランカの味がお楽しみいただけるシリーズです。カレーの壺シリーズで使われているスパイスは、温活・代謝アップ・食欲アップなど、美と健康をサポートする効能がたっぷり。毎日の食事にぜひ取り入れてください。
安心・安全な原材料
カレーの壺ペーストとレトルトは、スパイス・ハーブ・香味野菜の絶妙な配合により、化学調味料や動物性原材料、香料や保存料など添加物を使わずにスパイスの香りとうまみを引き出しています。スパイス・調味料も、素材本来のおいしさを生かすため化学調味料や保存料などは不使用です。カレーの壺シリーズに使われているスパイスやハーブは、できる限り自社農園もしくは提携農園にて、農薬や化学肥料を使わず栽培したものを使用しています。 詳しくはこちら >
カレーの壺シリーズの生産者
生産者は「スリランカを世界一のスパイス基地にしたい!」と奮闘するマリオさん一家。スパイス農家の自立を支援することで農村から直接世界へ通じるマーケットを開くことに取り組み、農家へ有機栽培の指導をしています。工場では福利厚生が充実し、従業員住居、無料の食堂、レクリエーション施設のほか、障がい者の雇用促進、従業員の子供などへの奨学金制度、内戦後の元少年兵や戦争未亡人などの雇用促進等、地域の問題解決に取り組んでいます。 詳しくはこちら >