おいしさのひみつ

おいしさのひみつ

フェアトレードチョコレート お役立ち情報

こんにちは。スタッフの山崎です。

10月末より、秋冬限定フェアトレードチョコレートの販売がスタートしました!
いよいよチョコレートシーズン到来。

みなさま、第3世界ショップのチョコレートはお召し上がりいただいていますか。
わたしは毎年たくさん食べています!

何度も食べているのに、半年ぶりに口にするこの季節はいつも、「こんなにおいしかったか!」と、ハッとするところから始まります。

なぜこんなにおいしいのか。

原材料である有機栽培のカカオ豆や砂糖、ミルクやバニラなど、厳選された素材そのものがおいしいことはもちろんですが、チョコレートのおいしさは「香り」と「口どけ」も重要なポイントです。

そのどちらとも関係が深いのが「ココアバター」。

ココアバターとは、ローストしたカカオ豆をすり潰した「カカオマス」をぎゅっと絞って取り出した油分のことです。

第3世界ショップのチョコレートは、ココアバター以外の油脂を使っていません。
それが、どんな風においしさにつながっているのでしょうか。

今回はチョコレートのおいしさのひみつについて、鍵をにぎる「ココアバター」に注目してお話していきます。

キューブ状のカカオマスこれ、マーブルチョコじゃないですよ。なんとキューブ状に圧縮されたカカオマス。
ココアバター カカオマスから絞り出したココアバター。茶色い部分がなくなり白い部分だけに。バター感はんぱない。

まずは「香り」とココアバターの関係から。

チョコレートの香りには、封をあけた瞬間にふわっと感じる甘い香りと、食べた瞬間に口の中で広がる芳醇な香りとがありますよね。

その香りを生み、閉じ込めるのに重要な役割を果たすのが「ココアバター」と「コンチング」という製法です。

チョコレートは、カカオ豆そのものである「カカオマス」に、さらにカカオ豆の油分「ココアバター」を足して、砂糖やミルクなどの他の原材料と一緒に長い時間じっくり練り上げて作ります。

この練り上げの工程を「コンチング」と言います。

コンチング時の摩擦熱で、カカオ豆に含まれる「花」「キャラメル」「ナッツ」の香り成分が増え、チョコレート本来の芳醇な香りが生まれます。
いい香りが増える一方で、カカオ豆の余計な酸味・水分が蒸発します。

ちょっと意外かもですが、カカオ豆は収穫したあと発酵させます。
この発酵の段階で、チョコレート特有の美味しい香りと同時に、発酵の酸っぱい香りがするようになります。
コンチング中にこのすっぱいにおいが蒸発し、カカオの芳醇な香りだけが残るのです。

コンチングコンチングの様子。原材料をじっくり練り上げ、チョコレート本来の「香り」を引き出し、なめらかな「口どけ」を作り出します。
乾燥・発酵させたカカオ豆発酵後、乾燥途中のカカオ豆。発酵させる理由は、この時に芳醇な香り成分の元が作られるから。実はチョコって発酵食品なのです。

そこに、ミルクやバニラ、ナッツなど他の原材料をあわせることで、カカオとその他の原材料の甘い香りや成分が油分であるココアバターに溶け込み、一体感のあるまとまった風味になっていきます。

封を開けた瞬間の、あの幸せな気持ちになる香りは、こんな風にココアバターに閉じ込められた香りなのです。

ココアバターに閉じ込められた香りやおいしさは、体温によってあたためられて溶け出し、口の中から鼻に抜けていきます。

ココアバターの溶ける温度は体温より低いため、食べたときに口の中の温度でなめらかに溶け出すことで、チョコレートの風味を一層感じられます。

食べる前、食べたときどちらの香りも、ココアバターが閉じ込めて、活かしています。

次に「口どけ」とココアバターの関係。

コンチング前の混ぜ合わせただけのチョコレート生地は、もっさもっさポロポロしています。

それを根気よく長時間練り上げることで、チョコレート生地に油分であるココアバターを均一に行き渡らせ、トロトロつやつやの「なめらか」なチョコレートに仕上げます。

均一にまざりやすくする乳化剤を使えば短時間でコンチングは完了し、高価なココアバターの量も減らすことができますが、乳化剤を一切使用しない第3世界ショップのチョコレートの場合、ひたすら練り続けます!

コンチング開始原材料を混ぜすり潰してペースト状にする「磨砕」の工程。1回目をした状態。この後2回目をしてからコンチングに。もっさもっさ。
コンチング72時間後もっさもっさのペースト状だった生地が、コンチングでじっくり練り上げられると…こんなにトロつやの「なめらか」な液体に変身!

カカオ豆をはじめ、チョコレートに使う素材そのものがおいしいので、その力を最大限活かすため、添加物や余計なものは使わず、素材のおいしさが活かせる製法で作りたい。

そのために、ココアバター以外の油脂は入れず、乳化剤も使わず、手間を惜しまず時間をかけてじっくり練り上げることで、なめらかな口どけを作り出しています。

このようにして、ドミニカ共和国とペルーのカカオ、スイスのミルク、パラグアイの粗糖、コスタリカの黒糖、マダガスカルのバニラなど、素材本来のおいしさがココアバターにしっかり閉じ込められて、食べた時の「おいしい!」につながっています。

おいしいチョコレートのために、ココアバターがんばっています!

秋冬限定フェアトレードチョコレートは、例年3月末ごろまでの販売です。

これから約5か月間、チョコレートシーズンを存分にお楽しみください!

なぜ第3世界ショップのチョコは秋冬だけ?のお話 >

フェアトレードチョコレートとは


フェアトレードチョコレート<ヘッダ

作る人にも、食べる人にも
やさしい
フェアトレードチョコレート

チョコレートの原料となるカカオ豆は、「カカオベルト」と呼ばれる赤道を中心に緯度約20度以内の熱帯地域で栽培されており、その多くは仲買人が決めた価格で取引され、立場の弱い生産者に適正な価格が支払われず、十分な収入が得られないことで、貧困や児童労働などの問題が生じています。

フェアトレードチョコレートは、チョコレートの原材料となるカカオ・砂糖・バニラなど、原料生産者から適正な価格で直接購入し継続的に取引する「フェアトレード(公正な貿易)」により、生産者の生活向上を支援し貧困問題の解決に取り組んでいます。農薬不使用など環境に配慮したものも多く、作る人にも、食べる人にもやさしいチョコレートです。

第3世界ショップのフェアトレードチョコレートは、国際的な有機認証を取得したオーガニックチョコレートを使用。板チョコレートは有機JAS認証を取得しています。

オーガニックのチョコレート

オーガニックのチョコレート

チョコレートには、豊かな自然の中で、オーガニック(有機栽培)で大切に育てられた原材料を使用しています。原材料のチョコレートは、国際的な有機認証を取得したオーガニックチョコレートです。板チョコレートは有機JAS認証を取得しています。

極上の口どけと香り

極上の口どけと香り

通常12時間程度のところ、最長72時間もかけ練り上げることで、乳化剤を使わずになめらかな口どけにしています。この工程でカカオのえぐみが抜けキャラメル・ナッツのような香気成分が増え、チョコレート本来のフレーバーを引き出しています。

白砂糖・添加物不使用

白砂糖・添加物不使用

乳化剤や人工香料といった添加物は不使用。ココアバター以外の植物油脂も不使用。白砂糖は使用せず、精製度の低い茶色い粗糖を使用しています。黒糖は繊細なチョコレートには風味が強すぎるため、板チョコレート・一口サイズチョコレートは、粗糖と黒糖をブレンドすることで自然な甘さに仕上げています。

板チョコ&一口サイズチョコ

第3世界ショップの
フェアトレードチョコレート

様々な障がいを持つ人が好きなこと・得意なことで活躍し、嬉々として創造的に暮らせる社会を目指して活動する福祉施設/アトリエ 嬉々!! CREATIVEの個性的なアーティストたちが手がける、ポップでキュートな限定アートパッケージ『Artisanチョコレート』は、ギフトにもおすすめです!

嬉々!! CREATIVEとのコラボにより、海外の生産者だけでなく、国内の様々なハンディキャップを持った人たちの仕事づくりにつながっています。

通常パッケージの板チョコレートや、ドライフルーツやナッツ、コーヒー豆をクーベルチュールチョコレートでコーティングした、チョコレート菓子も!